アベノミクスで賃金は上がったのか下がったのか?
「アベノミクスで賃金は上がったのか下がったのか。「統計問題」とは関係なく、実態は…」というネット上の記事,これは分かり易い記事ですね。
1. 雇用環境としては人手不足
2. 賃金は上がっている(名目賃金指数による)
3. 物価の上下を考慮に入れれば,収入は下がってはいないがほぼ横ばい(実質賃金指数による)
4. 正社員は同じ身分・賃金以上での転職がやりにくい
5 バイト・パートの賃金がうなぎ上り,人手不足で転職もやり易い(ただし,そもそも低賃金なので,正社員を含めた労働者全体の賃金を押し上げる力は弱い)
6. これまで働いていなかった専業主婦,高齢者が働きはじめている(時短職員として正社員で働いている人もいる)
今後,AI化が進展し,この流れがどのように変わっていくのでしょうね。特に1の人手不足は解消される可能性があります。一方では,インターネットの進展でECやITといった新しい職業が生まれた様に,AIの進展で新しい職業が生まれて,今とは違う分野で人手不足がひどくなるのかもしれません。
4,5を考えると,中流階級が減って低所得者が増え易いという構造が見えてきます。また,バイト・パートが増えても,フルワークではなく,働く時間が少ないために,1人の人が得られるお金は少ないという事が多くなります。ワークシェア状態,一つの仕事を多くの人が分担して行っている状態という事にもなりがちです。
2,3の事,名目賃金は上がっているが,物価の上下を考慮した実質賃金は横ばいというのは,まさに政府が目指していた方向だとは言えますね。給料が上がり,購買力が増える,すると物価が上がる。これが循環するかどうか。
上手く転職できた人,上手く起業できた人,金融商品で成功した人,失敗した人,定年を迎えて雇用はつづけられても給料が下がった人などなど,個人個人で事情が異なり,人それぞれが自分の感想を述べて,この記事の様なマクロ的な事実を認めないという事もあるでしょうね。
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