米朝首脳会談決裂
2月28日,ベトナム・ハノイで行われた2回目の米朝首脳会談。これが決裂しましたね。私は,日本にとってこの決裂はよかったと思います。
会談前は,いい加減なところで合意し,大陸間弾道弾だけ,つまりアメリカに届くミサイルだけの凍結,寧辺の核施設だけの廃棄,現在存在している核弾頭の温存・新規製造だけの凍結,などなどで双方署名・食事してチャンチャンと終わってしまうのではないかと思っていました。
しかしまさかの決裂。首脳会談では,役人達や担当政治家の事前の根回しが行われ,首脳はほとんどサインするだけの会談だと思っていたところが,トランプ氏が席を蹴った格好。両首脳は用意された食事もせずに帰国の途に。アメリカの役人達,金正恩氏たちも口あんぐりでしょうね。
トランプ氏が役人達の既定路線ではなく独自性を発揮したとすれば,お見事だったという他ありません。まあ,同時にアメリカで行われていたコーエン氏の公聴会の方が重要で,心ここに在らず,そんな国内情勢がいい加減な合意を許さなかったという事はあるのかと思います。
今回は金正恩氏の若さが出たという事もあるでしょうね。金氏側も,トランプ氏の状況によって,もう少し対応の仕方もあったかと思います。
しかしそれが日本には幸いした。金正恩氏にとって,北朝鮮べったりの韓国は,こうなれば頼りになりません。中国も傍観している状況で,さらに米中の対立もあってアメリカに何か力を及ぼせるかというと「?」です。おそらく多少なりとも頼りにできそうなのは,日本だけではないでしょうか。安倍首相がトランプ氏と培ってきた関係,今回の会談でもトランプ氏が2回にわたって日本の拉致被害者について言及したという,トランプ氏の日本に対する忖度を金正恩氏が感じとったならば,北朝鮮が日本にすり寄ってくる可能性は無くはないと思います。
安倍首相が「次は日本が出て行く番だ」的な事を言ったと伝えられていますが,それは案外正しい読みかもしれません。
まあ,首脳会談が行われている限り,少なくとも戦争にはならないでしょうから,決裂のために首脳会談が行われても,役には立っていると思いますよ。
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