給与をデジタルマネーで受け取る?
デジタルマネーで給与を受け取れるようにする規制改革が計画されており,それを銀行が警戒しているという記事を読みました。現在,給与支払い手段は労働基準法で規制され,給与振込口座が事実上独占的な地位を占めているとのことです。それを,2019年にも企業がデジタルマネーで給与を従業員に支払えるようなる予定です。
しかしこれはうまくいくのでしょうかね。
例えば給与をPASMOとnanacoとWAONとTカードに毎月決まった割合で振り分けて振り込んでもらうとします。それぞれのカードの通用店舗・サービスが違うのだから,複数カードに給与をふりわけてもらうことは必須でしょう。一つの銀行に振り込む現状に比べ,会社側としては複雑で経費がかかるような気がします。まあ,こんなことくらい自動的に振り分けシステムに任せれば自動的にできるのかもしれません。でも,会社は今より多くの振込先を扱う必要があり,振り込みが完了した旨の相手側からの返答を今よりたくさん受取る必要もあり,いくら自動化されているとしても,会社の計算機の増強が必要だったり,計算機の処理時間は今より多くなりそれなりに費用が掛かるでしょう。
次に給与を払ってもらった私のほうです。今月はPASMOで小旅行を行ったので,PASMOの残金が足りなくなり,余裕のあるnanacoなりWAONなりからPASMOにお金を移したいと思うでしょう。今の各カードのシステムではそれができませんね。どうしても会社員側とすれば,いったん各カードに給与を振り込んでもらっても,後々各カード間で微調整を行う必要が出てきます。
まあそう考えると,今のまま各デジタルサービスに給与が振り込みできる様になれば事足りるということではなさそうです。
今は給与が一度銀行に振り込まれ,それを私たち会社員側が各カードに振り分けているのですが,それを会社側が行う必要があるわけです。振込まれた後の各カード間の微調整を含めて,銀行なしにはなかなか難しいのでは?
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