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2019/09/03

奥入瀬渓流へ

Watarase-keiryu

KumoinotakiNenokuchiTowada-ko 8月最後の週末を利用して,青森県の奥入瀬渓流に行ってきました。目的は,奥入瀬渓流沿いのハイキングです。
 奥入瀬川は,十和田湖の子ノ口から流れ出て八戸で太平洋に注ぐ河川です。十和田湖から流れ出る唯一の河川で,十和田湖の出口,子ノ口から14km下流の焼山までを奥入瀬渓流といい,十和田八幡平国立公園の区域内です。
 その焼山にある奥入瀬渓流ホテルという星野リゾートのホテルに泊まって,そこから上流に向かって十和田湖まで散策しようという計画です。しかし,その道程は14km。全部歩くと5時間かかります。そこで歩くのは石が戸から雲井の滝までの1時間ほど,そこでまたバスに乗り銚子大滝で降りて,そこから十和田湖子ノ口まで30分最上流部を歩くことにしました。
 奥入瀬渓流ホテルは,30分に一本程度焼山のホテルから奥入瀬渓流の中程,雲井の滝まで無料シャトルバスを運転しており,これに乗って途中の石が戸で降りて1時間ほど歩きます。
 実はその石が戸から上流,三乱の流れ(さみだれのながれ)までは,すでに早朝歩いていたのです。ホテルのアクティビティーとして「渓流モーニングカフェ」というのがあります。これは朝4時50分にロビーに集まり,ホテルのバスで三乱の流れまで行って,渓流沿いの遊歩道を石が戸まで歩き,石が戸の野外でコーヒーをいただき,そこからバスでホテルに帰ってくるという1時間ほどのアクティビティーです。特に料金はかかりませんが,予約は必要です。これに参加したために,渓流中流域の始まり,三乱の流れから石が戸までは散策済み(薄明かりの中の早朝ではありますが)というわけです。
 この早朝のアクティビティーでは,ホテルから石が戸で珈琲をいただくまでは雨が降っていませんでした。しかし歩き終わって珈琲を飲み始める時には雨が降り始め,かなり土砂降りになりました。山の天気は変わりやすいということで,雲行きが怪しいという説明がホテルを出る時にあって,ホテルで傘と長くつを借りていました。時期的なものもあるかと思いますが,なにかと傘と長くつは必要です。晴れているようでも,渓流沿いの遊歩道では足元の悪い部分もあり,ホテルでの傘と長くつの無料貸し出しはとても役に立つサービスでした。長くつはホテルのフロント横の長くつ部屋に,壁一面に細かい棚が作られ,各種サイズごとに分かれて長くつがびっしり並べられていました。私が借りたのは,長くつとはいえしゃれたオレンジ色の靴紐がついたものでした。
 さてお目当ての渓流沿いの散策。ホテルからホテルのシャトルバスで石が戸へ,そこで降りて渓流沿いの遊歩道を歩きます。折から雨の後での散策でしたから,渓流は水量も多く,水も茶色く濁っていました。
 1時間くらい歩いて雲井の滝着。雲井の滝からはJRのバスに乗ります。青森駅や八戸駅からホテルのある焼山を通って,ホテルの無料シャトルバスと同じ経路を,JRバスが運行しています(ホテルのシャトルバスは雲井の滝止まり。JRバスはその先,十和田湖まで走る)。銚子大滝でJRバスを降り,そこから十和田湖までまた歩きです。
 銚子大滝は渡良瀬川本流にかかる唯一の滝です。この滝を含めて,渡良瀬渓流上流沿いで見られる滝は14本ありますが,銚子大滝以外の滝は支流から渡良瀬川に落ちる滝です。
 この辺り,十和田湖に近く,支流の雨降り後の濁った流れがあまり入っていない区間なので,奥入瀬渓流の流れもあまり濁っていません。いい感じの流れになっています。
 その後渓流沿いを歩くこと30分,やがて水門が見えてきて十和田湖子ノ口に到着しました。
 ここからまたJRバスに乗り,10kmほど湖畔沿いに行った休屋(やすみや)というバスの終点で降りました。ここから十和田湖の観光船に乗ります。
 約50分,船内放送で周りの景色の解説を聞きながら過ごして,子ノ口に戻りました。
 ホテルへの帰りは子ノ口からJRバスで一気に焼山のホテルまで。バスの窓越にもたくさんの滝が見え,路線バスの車内放送で解説が入ります。十和田湖周辺の上流はだいぶ透明な流れが回復していました。しかし,下流域ではやはり茶色く濁った流れでした。このまま雨が降らなければ,水量も落ち着いて,これまで見えなかった川の中の飛び石のような岩が見えるようになり,翌日には下流域まで透明な流れが回復するそうです。
 奥入瀬渓流ホテルの評価として,20本に1本くらい,高価なホテル代に対して,食事や従業員のサービスがそれほどでもないという評価が見受けられますが,いったいどんなシティーホテルを期待しているのだろうかと思います。実際泊まってみて,そんなサービスより,突然変わる天気に対応した無料の長くつのサービスとか,傘のサービスとか,渓流の好きな区間をハイキングするための渓流沿いを走る30分に1本のまるで路線バスのような宿泊客専用シャトルバスのサービス(無料です)とか,森の中で,天気かと思ったら突然の雨も降り,虫が多い地域にあるホテルの部屋の広い窓が常にシミひとつなくキープされている窓拭き(多分チェックアウト後にその部屋の窓を拭くのだと思いますが,チェックアウト時間後の窓拭きを見かけました)とか,そのようなサービスこそ重要だと思います。お金をかけるのならば,そういうサービスにお金をかけることで正解だと思いますよ。渓流散策などからホテルに快く疲れて帰ってきて,ホテルのスタッフから丁寧に挨拶され,もてなされたら,むしろ「うざい」と感じることでしょう。帰ってきたら,まず早く温泉に入りたい。それが叶えられれば,それで十分です。そもそも,長くつのサービスをありがたく利用しないような滞在は,「別のホテルに行ったらいかが」と思いますwww。

(写真は上から,中流域の「渡良瀬渓流」,渓流沿いに見える14の滝の一つ「雲井の滝」,十和田湖からまさに流れ出た「子ノ口の渡良瀬川」,濁った最初の写真に対し水が透明であるのがわかります。次はその写真の位置で振り向いた「十和田湖」の景色です。十和田湖は流れ込む川がなく,雨が降っても土砂が流れ込まないので非常に水は綺麗です。従ってひとつ前の写真のように,十和田湖から流れ出始めた渡良瀬川の水は雨の後でも綺麗ですが,中流域,下流域になるにつれて,流れ込む主に5つの支流のために,雨が降れば濁りが増していき,最初の写真のように泥水になります。しかし雨が止んで一日経つと,綺麗な水に戻るそうです。以上4枚の写真のうち,下の2枚はクリックすると拡大します。)

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