災害復旧日の延期予告
9月9日に関東地方を襲った台風15号は,主に風による被害を各地でもたらし,特に史上最大の風速を記録した千葉県ではいまだに電柱の広範囲な倒壊による停電が続いています。
この停電,始め10日には復旧すると東電が予告し,各自治体もそれを信じて対策を行っていました。電源車の派遣などは10日には復旧するという情報に基づいて見送られていました。ところが,実際には復旧時期は延期に次ぐ延期で,まだ復旧していない地域もあるという状態になってしまいました。復旧時期の度々の延期で,自治体による様々な災害支援対策も後手後手にまわりました。暑い中,エアコンが使えないこと,冷蔵庫が全滅したこと,停電によりポンプが稼働しなくなり水道の断水も起こったことから,広い範囲の被災者は生命の危機にも見舞われました。
今回の台風では,関東地方各地の鉄道などが事前に計画運休を実施し,その運行再開時間を予告していました。ところが,線路や架線に引っかかった遺物の撤去や線路の点検,さらにそれによる支障の多さにより,その予告された再開時刻に運行を始められませんでした。そのために,台風襲来前に予告された運行再開時間に駅へやってきた通勤者が溢れかえり,運行が再開されても駅に入れないなどの混乱が起こりました。<一部の人が最新ニュースを見ることなく予告された時刻に駅にやってきた>→<駅で滞留>→<運行再開を報道で知った人々が駅にやってくる>→<滞留していた人と相まって運行再開後も駅に入れない>という状況でした。
このような事例では,予告された時刻に電力なり鉄道の再開が行われなかったことから,様々な支障が発生し,それをカバーできなくなったというわけです。
千葉県や被災した各自治体では,最初から電力復旧時期が正確に予告されていたら,様々な対策が異なっていただろうと言っています。鉄道の復旧も,「朝8時」ではなく最初から「11時」と広報されていれば,早くから企業も「出社に及ばず」というアナウンスを出していたかもしれません。
自然災害ですから,電力会社や鉄道は正確に復旧時刻をアナウンスすることは難しいでしょう。この情報社会ですから,利用者側が最新報道などで最新情報をしり,それに基づいた行動をとることが必要です。
| 固定リンク
コメント