暗号通貨「リブラ」の規制
少し前のことですが,10月18日,G20財務相・中央銀行総裁会議で,米フェイスブックが計画する仮想通貨「リブラ」を規制対象とする合意文書を発表しました。マネーロンダリングへの悪用防止や利用者保護で懸念があるとして,深刻なリスクに適切に対処するまで発行を認めない方針です。
リブラについては,G20に先立って,G7で規制することを確認しています。ビットコインなど既存の仮想通貨はそれほどでもないのにどうしてリブラについては厳しい規制を課するのでしょう。
これはおそらく,リブラは「貨幣」として他の仮想通貨に比べてより実用的な実力があると考えられるからでしょうね。リブラは,ドルなどの既存通貨と連動し,例えば1リブラが1ドルに固定されます。ビットコインが既存通貨との為替のうえで乱高下を繰り返し,とても貨幣として使える様なものではない投機用トークンの域を出ないのに対して,リブラが計画通りのものであるならば,通貨として実力があるわけです。それを既存通貨側が恐れていると言えるかもしれません。
既存通貨と価値を連動させるために,リブラ側では発行額と同額の既存通貨を持つことにしています。しかしフェースブックといえども,これは厳しいのではないかと思ってしまいます。
最近フェースブックのザッカーバーグ氏はリブラ計画の延期を発表していますが,計画通りうまく発行できるのか,見てのおなぐさみということですね。
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