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2020/01/11

日本の「ビジネスホテル」は,外国人観光客をがっかりさせるのか?

Inbound 「外国人観光客をガッカリさせる、日本の多すぎるビジネスホテル」という記事を読みました
 記事では,日本に来る外国人観光客の36.6%がビジネスホテルに宿泊している事,これはシティホテル(34.5%),リゾートホテル(13.2%),旅館(10.6%)を抑えてトップシェアである事,これは,ビジネスホテルの供給量が非常に多い事からそうなってしまうのだと言っています。そしてそれは,来日観光客をがっかりさせると言っているのです。
 私は,この記事ははっきり言って論理が破綻していると思います。
 記事では,ビジネスホテルの稼働率が高く,その他のホテル,旅館の稼働率が低い事を述べています。つまり,ビジネスホテル以外が数的に少ないということではないということですね。ビジネスホテル以外の部屋はあるのに泊まらないという事です。
 それは結局,ビジネスホテル以外は高いからということではないのか?
 それと,ビジネスホテルの清潔さ。イギリスなどでも,安いホテルと高いホテルでは,サービスはもちろんのこと、清潔感がまるで違う。日本のビジネスホテルは,その点性能が良すぎるのだと思います。外国人観光客は,そんなビジネスホテルに泊まって不満なんですかね?
 記事では,ゾーニングについて述べています。つまり,ハワイのように,観光客はなるべくワイキキに留め,住人の住む地域と隔絶しておくという政策です。ところが記事では,外国人向けプロモーション動画では「外国人観光客が日本の伝統的な旅館や温泉宿に宿泊して,日本人と触れ合うみたいなシーンがお約束となっている」という事で,そんな日本人との触れ合いを望んでいるのなら,ゾーニングなどもっての他ではありませんか?
 この記事は,なんだか論理が破綻しているように感じます。
 日本では低ランクの物のクオーリティが非常に高く,高ランクの物を利用しなくてもそれなりに満足できるという事があり,それで安い物やサービスが大量に売れて,高いものやサービスが売れないという事になり,その事はそれなりに経済的に問題があるという事になります。ホテルもその一つですが,例えば食べ物などのそうでしょう。食べ物が不味いといわれるイギリスにも美味しい食事を出す店があります。でも,イギリスで美味しいものを食べるには,それなりの手続きをして,高いお金を出して,やっとありつけるのです。日本のように,500円台の天丼を食べても,500円台でオーストラリア人の知人が「世界一おいしい牛肉料理」と言う牛丼を食べても,500円台でラーメンを食べても,そこそこ美味いという事はありません。しかし記事が言うように,安いホテルのクオーリティの高さが,インバウンド客の多寡に影響しますかね?? それは,クオーリティの高い日本のビジネスホテルに外国人が不満を持つからと記事ではいいたいようですが,本当ですか?

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