イギリスの対策
現在,新型コロナウイルス感染の中心となっているヨーロッパ。イギリス政府は封じ込めはあきらめて,集団免疫を獲得するまで感染のスピードを遅らせていく方針だと発表しました。集団免疫とは,国民の60%〜70%の感染により,抗体ができて自分も掛からなくなるし他人に感染させることもなくなり,流行が終息するというものです。
これは日本と同じ対応ですね。
検査はあまり行わない。80%は感染しても無症状か軽症で自然に治ってしまうのだから。重症者とその周りだけを検査して,感染経路を特定していく。検査をして,軽傷者まで相手にしていたのでは,医療崩壊を引き起こすので,重症者の手当てができなくなる。なるべく重症感染者の山を低く,長く持って行って(イギリス流では「遅らせる」と表現),そのうちワクチンと特効薬の開発に期待する。
ジョンソン首相はそれをあからさまに述べたのですが,安倍首相は批判を浴びることが分かっているので「医療崩壊を起こさないため」を第一の理由に挙げ,かなり高齢者の犠牲を伴う事(一説には数十万人の死亡)は言わない。安倍首相の言い方がわかりにくい,または頼りない,具体性がないのはそのためです。分かっているが,言っていない。
日本の学者,医者も,6〜7割の国民の感染で集団免疫を得るという事は,かなり流行の初期から言っています。それで流行は収まるはずですが,老人の犠牲を伴います。国民の6〜7割のなかに,老人が含まれ,基礎疾患を持った老人は死亡する可能性が大きいからです。
日本とイギリスは,図らずも同じ対応を取ろうとしています。それを始めたのは,日本の方が先ですが。
しかしここへ来て,日本もたくさん検査を行う体制を整え,韓国やイタリア流の検査で陽性者をあぶり出し,治療を行う方向になりつつあります。この段階で,特効薬ができれば,かなりいい線行くのですがね。韓国のような医療崩壊を起こさずに,流行を終わらせる事ができる。
現状日本の死亡者数が少ないのは,医療崩壊を起こさない程度の検査数による重症者の治療が,うまくいっているからでしょう。検査数と十分な治療とは,微妙なバランスの上に成り立っています。
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