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2020/04/26

G.K.チェスタトン の「ブラウン神父の不信」

Incredulity-of-father-brown あまりにも有名な推理小説,ブラウン神父シリーズ。イギリスの作家,ギルバート・ケイス・チェスタトンの作品で,短編ばかり全51篇(実はさらに2篇の短編集未収録作品があるらしいが)が5冊の短編集に納められています。
 ブラウン神父の物語を私が最初に読んだのは,小学生の時,学校の図書館にあったあかね書房の「少年少女世界推理文学全集」の一冊で,「ふしぎな足音」という本でした。それには,各短編集から選ばれた傑作が6篇収められていました。とにかく他の推理小説とは格が違う面白さだったのを記憶しています。トリックや「森の中に木を隠す」などの警句の宝庫です。
 その後,創元推理文庫で全5冊を読了したのが高校生の頃。それ以来,「面白かった」という記憶のみが残る中,ブラウン神父とはお付き合いがなかったのですが,最近のコロナ騒動で家にいる時間が増えた中で,ネット配信でイギリス製の「ブラウン神父」という1時間で1話完結テレビドラマを観たのです。オリジナル脚本作品もありましたが,チェスタトン 原作の「飛ぶ星」や「神の鉄槌」などが,多少形を変えてドラマ化されていました。その何作かを観て,再び読みたくなったのがきっかけで,このほど「ブラウン神父の不信」を読みました。
 この短編集は,ブラウン神父の第3短編集です。全8作が入っている短編集ですが,最近の推理小説に対してかなり読みにくい作品です。ブラウン神父ものが読みにくいという事は,よく言われる話です。高校生の頃はそれほど「読みにくい」と思ったことがなかったのですが,最近のラノベ推理小説や少年ものを含めて最近の作品を読んでいる身としては,実に分かりにくいものとなりました。創元推理文庫のブラウン神父版が最近新訳となり,高校生の頃の福田恆存訳から訳文が変わった様ですが,そのせいかとも思いました。しかし,創元推理文庫のPR文としては,「新訳となり読みやすくなった」と言っていますし,アマゾンの読者評価としては「読みにくさは新訳になってもあまり変わらない」と書いている方もいます。多分,高校生時代と今とでは,頭の柔らかさが変わったのかと思います。
 今回読んだのは創元推理文庫の2017年の新訳版。一方,第一短編集は「ブラウン神父の無垢なる事件簿」という題名のハヤカワミステリ文庫版を買ってみました。まだ積読状態ですが,訳者の違いでどう違うのかに注目しながら読んでみたいと思います。でもハヤカワ版は,第一短編集しか出ていない様ですね。ハヤカワ版の訳文が気に入ったとしても,第一短編集のしか読めません。

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