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2020/05/13

シンガポールでの感染者が2万人を超える

Singapole-kansensha-graph 新型コロナウイルス感染の優等生だったはずのシンガポールで,5月6日には感染者が2万人を超え,感染拡大が続いているとの事。4月22日の1万人越えから2週間で2倍に増えたといいます。しかしこのほとんどは外国人労働者の感染です。劣悪で三密な環境に住んでいる外国人の建設労働者の間で感染が爆発しているのです。
 シンガポールの環境では,一般市民は外国人労働者の住む地域にはまず入ることはないそうで,実際シンガポール市民の新たな感染発見数は,1日に1桁台を維持しています。
 シンガポールには,ある意味二つの世界が存在しているわけで,その一つで感染が増えている状況です。しかし日本の様にその様な世界の分離が行われない地域で同じ事が起きたら,おそらく全体で感染が爆発していく事でしょう。
 ニューヨークは,そんな貧民街の感染拡大が全体の感染拡大に広がっている例だと思われます。シンガポールでは,感染が広がった建設労働者と一般市民と接点が少ないために,市民に感染が広がるのが妨げられているわけですが,一般的にはそうはいきません。ニューヨークは,貧しい一般市民の間に感染が広がり,そんな貧しい階層の人々がそうでない市民の中に混じり,それが全体に感染を広げているのです。
 以前もどこかで書いた事がありますが,貧しさの撲滅は,富裕層のためでもあることを示していると思います。世界の多くの国では,シンガポールの様に,貧困層(外国人建設労働者)を一般市民と隔離しておくわけにはいかないのですから。

 左上のグラフは,日経新聞電子版より拝借したものですが,シンガポール全体の感染者数と寮に住む外国人建設労働者のカーブの狭い間隔が,一般市民の感染者数を示し,二つのカーブはほとんど平行していて,一般市民の感染者発見数はほとんど増えていないことを示しています。しかしよく見ると,4月下旬から現在にかけて少しづつ間隔が開いている様にも見え,一般市民の間でも感染者数が増えているのではないかと思われます。いくら地域が隔離しているとは言っても,やはり感染者は一般市民の間にじわじわと広がってきているのではないかと思われます。

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