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2020/10/06

ロナルド・ノックス「陸橋殺人事件」

Viaduct-murder

 イギリスのカトリック教会で2番目くらいに偉い人だったロナルド・ノックスの推理小説「陸橋殺人事件」を読みしました。長い間日本では名のみ高く,実作は読めない時代が続いていた作品です。かなり前のことになりますが,創元推理文庫に入ってやっと普通に読める様になりました。
 「推理小説好きが最後に読むべき作品」とか「すれっからしの推理小説好きが,膝を叩いて喜ぶ様な作品」といわれ,どんなものなのか読む前から興味深い作品でした。
 ゴルフ場でプレイ中,下手なショットの後にボールを探しに行った人物が発見した男の死体。鉄道の陸橋の際に遺体がありました。ひと目で列車から転落した為に死亡したと思われる死体です。この遺体の男は,鉄道の土手で顔を損傷したらしく,人相の見分けがつかない状態でしたが,服装その他で同じゴルフ場を使っている男だと思われます。
 この時のゴルフ仲間の4人が,警察を尻目に様々な捜査と推理を重ねていく物語。各人の推理は,はじめ名推理の様に見えるのですが次々に的が外れていきます。そして最後には全然違った真相に達するという話。
 東川篤哉や麻耶雄嵩に,数人の高校生が探偵役となって活躍し,試行錯誤を重ねていくタイプの推理小説がありますが,それをゴルフ仲間の大人がやったという感じの推理小説です。面白く読みましたが,特に「推理小説好きが最後に読むべき作品」とか「すれっからしの推理小説好きが,膝を叩いて喜ぶ様な作品」とか思えませんでした。

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