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2021/03/23

米澤穂信「いまさら翼といわれても」

Imasara-tsubasa 米澤穂信の古典部シリーズの短編集,「いまさら翼といわれても」を読みました。
 古典部シリーズで一番有名なのは,第一作長編「氷菓」でしょうね。「氷菓」が有名なのは,テレビアニメにも実写映画にもなっているからで,本を読まない層にも知られているという意味で有名だと思うのです。
 ある地方都市にある神山高校の「古典部」という廃部寸前の部活の,主として2年生部員4人の周りや自身に起きたちょっとした事件を解決していく日常系の推理小説です。神山高校は進学校で,そこの生徒はそれなりに頭も良く,推理力もあり,捜査力もあり,また進学校の生徒はそれなりの屈託もあり,4人中の誰かの身に起こった事件を別の部員が解決することもあります。
 このシリーズは,現在のところ長編4作品,短編集が本書を含めて2冊あります。その中の最新の本,短編集が本書です。収録作品は6作品,「いまさら翼といわれても」という書名は,最後の短編の表題でもあります。どの作品も,それなりに謎があります。
 例えば・・・,生徒会長選挙で,投票総数が生徒数より1クラス分多かった謎,動機の謎より常に監視されていたのにどうしてそんな事ができたのかという方法の謎が主体です。例えば,高校の話ではなく卒業した中学校の卒業制作の鏡の額縁の秘密,その完成した額縁を見て,額縁のデザイナーが号泣したのはなぜかという謎です。例えば,ヘリコプターが特に好きというわけではないある先生が,ある日ヘリコプターの音が教室に聞こえてくるたびに授業を中断し,窓から首を出してヘリコプターを見上げたのはなぜかという謎。例えば,合唱でソロを歌うことになっていた生徒が,合唱コンサートの出番6時間前に突然いなくなり,その生徒がどこへいったのか,なぜいなくなったのかを推理していく。・・・などなど。
 小さな謎かもしれませんが「なぜ?」という謎があり,その謎を高校生(主として折木奉太郎くん)が解いていくのは,なかなか面白いですね。

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