新型コロナワクチンの輸出先は,日本が1番多い
EUの行政トップであるフォンデアライエン欧州委員長が,EUから日本向けのワクチン輸出許可が1億50万回分を超え,EUからの輸出全体の4割超を日本向けが占めている事,国別では日本向けが最多であり,2位の英国2250万回分,3位のカナダ1750万回分を大きく引き離している事を発表しました。
2020年12月にワクチン接種が始まった時の死亡者数は,日本は二桁。一方,ヨーロッパ,それにアメリカも含めて三桁〜四桁。
ワクチン接種が始まった時点では,日本以上にワクチンを必要とした国があったという事です。以前もどこかの記事のコメントで書きましたが,日本のマスコミも国民も ”井の中の蛙” で,日本のことだけしか見ずにワクチン接種に不満を言っていたわけです。
そして現在,日本にはワクチンはたくさんあるのに,接種する要員が十分確保できずに速やかな接種が難しい状態です。政府が歯科医による接種を認めようとすると医師会が既得権の侵害を訴えて反対する。
今,接種の阻害要因はワクチンの量ではありません。人的な要因で接種が進まないのです。
まあ,各位の努力でそれでも少しずつ拡大していますがね。ただ,ワクチンの効果は4〜5ヶ月ですから,季節性とは言えない新型コロナウイルスは,既に接種した人も9月〜10月頃にはまた次の接種を行う必要がある事には留意しなければなりません。
逆に言えば,それまでに集団免疫ができる事がベストではあります。その意味では,今現在行っているワクチン接種は,できるだけ速やか行う必要があるでしょう。
ところで,−75度での保管が必要なファイザーのワクチンを発展途上国に送っても,扱いきれないのではないかという心配があります。例えば,私がインドへ仕事でしばしば行っていたのはもう10年くらい前で,今は改善されているのかもしれませんが,ハイアットやメリディアンなどの西欧系の高級ホテルでも,部屋の引き出しには蝋燭が用意されており,停電が日常茶飯事でした。日本代表とインド代表のサッカー試合でも,スタジアム周辺が停電となり,試合が中断した事があったはずです。そんな状況で,−75度を冷凍庫で保つことはできませんよね。
こんな事を言うのはなんですが,三洋電気の技術でパナソニックの子会社が作っている医療用冷凍庫を用意できる日本がファイザーのワクチンを多く引き取っていることは,まあまあ正解だったのではないかと思います。
| 固定リンク
コメント