ワクチン格差
国際的なワクチン格差を解説した記事を読みました。この記事は有料コンテンツなので,リンクを貼っても誰もが読めるわけではないのが残念です。
この記事によると,世界各国のワクチン接種完了者の割合のトップテンは,UAE,シンガポール,ウルグアイ,イギリス,ドイツ,フランス,アメリカ,日本,トルコ,ブラジル。このうちトップスリーのウルグアイまではそれぞれ70%を超えており,それに続く欧米各国が50〜60%,次の日本は45%弱となっています。ワクチン完了者の割合が10%以下の国というと,アフリカのほとんどの国,サウジアラビアなどアラビア半島の富裕国以外の中東各国,そして東南アジア。世界で打たれたワクチンは50億回ですが,低所得国はたった0.2%を占めるにすぎません。
そんな低所得国にワクチンを届ける仕組みが2020年4月に発足した「COVAX(コバックス)ファシリティ」です。WHOが主導し,アメリカ,日本,西欧諸国などが資金を拠出しています。しかし,COVAXは2021年中に20億回分を配布する目標を掲げていたものの,8月中旬時点でその数は約2億回分と,目標の10分の1にとどまっているのが現状です。その最大の理由は,各国が自国のワクチン確保を優先したからです。欧米や日本などの先進国,世界のワクチンの6割を作るという創薬国インドなど,自国の感染状況が,COVAXへのワクチン供給を許しませんでした。各国が確保したワクチン量のトップスリーが,アメリカ,ドイツ,日本で,20億回分以上を確保している国です。
その他,各国政府が独自にワクチンを提供している分というのもあります。例えば,日本は台湾,ベトナム,インドネシア,マレーシア,フィリピン,タイに,日本で製造したアストラゼネカのワクチンを1130万回分供与しています。
この記事には,以上のことが解説されていて,世界的な新型コロナワクチン事情を知ることができます。
ワクチンも,常温に近い温度で保存できるタイプもあるものの,効果の高いmRNAワクチンなどはマイナス何十度というかなりの低温での冷凍保存が必要となり,そもそも低所得国では手を出せないということもあるかと思います。
インドでさえ,電力事情が悪く,停電が頻発する環境で,「低音保存が必要なワクチンをもらっても・・・」という事があるようです。日本でも冷凍機のコンセントが抜けたなどという理由で,相当数のワクチンが廃棄されましたよね。
記事には書いてありませんでしたが,この冷凍保存の必要性というのは,やはりワクチン格差を生む一つの要素でしょう。
インドやペルーなどでは,ワクチン接種率は少なくても,ある程度感染が蔓延し,重傷者・死亡者も多いが現在残っている国民はかなりの確率で "感染→抗体を持つ" というプロセスで集団免疫状態になっていると言われています。そういう抗体の持ち方ということも,記事では言及されていませんでしたね。
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