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2022/01/27

コインハイブ事件の有罪判決、最高裁での破棄自判で「無罪」に

Site-viewing 表題の「コインハイブ」というのは,何かのサイトの運営者が仮想通貨のマイニングをそのサイトの閲覧者に行わせる仕組みで,JavaScriptコードをサイトに埋め込んで,そのサイトを閲覧した人のPCのCPUパワーを使ってマイニングを行うというものです。仮想通貨「Monero」の採掘で使われる仕組みで,採掘益の7割がサイト運営者に配分され,残りの3割は手数料として運営元であるCoinhive Teamが受け取ります。
 通常のサイトでは,サイト運営者がサイトに広告を載せて,広告主から広告料を取ることによってそのサイト運営の費用を賄なっています。コインハイブでは,広告をサイトに載せない代わりに,サイト閲覧者に(知らぬ間に)マイニングを行わせて,その採掘益をサイト運営者にもたらすことによってサイト運営の費用をまかなうという仕組みです。
 コインハイブの設置は,賛成派がいる一方,ただのマルウェアだとして反対派もいて,以前から物議を醸していました。そして,コインハイブを設置することは不正マイニングであるとして,2019年4月までの時点で神奈川県警察など全国の警察は21人を検挙しました。2018年3月,検挙されたサイト設置者であるWebデザイナーの男性が正式裁判の請求を行ったために,本事件について通常の刑事裁判が実施されることになりました。
 この裁判は,一審では無罪,二審では有罪,そして今年1月20日に判決が出た最高裁では無罪となりました。最高裁は,マイニングによりPCの機能や情報処理に与える影響は「サイト閲覧中に閲覧者のCPUを一定程度使用するに止まり,その仕様の程度も,閲覧者がその変化に気付くほどのものではなかった」と指摘しています。ウェブサイトの運営者が閲覧を通じて利益を得る仕組みは「ウェブサイトによる情報の流通にとって重要」とし,「広告表示と比較しても影響に有意な差異は認められず,社会的に許容し得る範囲内」と述べ,「プログラムコードの反意図性は認められるが不正性は認められないため,不正指令電磁的記録とは認められない」と結論づけました。
 私は,コインハイブという発想は面白いと思う反面,サイトの閲覧者が「ヤダな」と思ってすぐ閲覧をやめられないのなら,「やはりダメでしょ」と思います。閲覧者にマイニングが裏で行われているのを知らされていないというのは,ダメだと思うのです。それが今回の判決の「反意図性を認めた」ということですね。これは,マナー違反というか,閲覧者に知らせないでやったとか,閲覧者がヤダなと思っても止めることができない状態でやったということでしょう。しかし「不正性」は認めなかった。これは法律の立て付けの問題ですね。マナー違反を咎めるのなら,法律を変えましょうという判決です。
 社会的に許せるマナー違反だったのかどうか・・・,今の法律では罪に問えないが・・・,という事なんですが,サイト閲覧の裏でJavaScriptが動いているというサイトは,結構世の中にはあると思うので,それが無罪になったという事でなにかと影響が大きい判決だと思います。

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