ウクライナ情勢はどうなるの?
ロシアがウクライナに侵攻し,ウクライナを制圧しつつあります。アメリカ・NATOは,軍事的にはNATOに属さないウクライナに軍事展開することは出来ません。ロシアを経済制裁するのみです。しかしロシアは,資源を含めてほとんどの物を自国生産できるので,経済制裁はあまり有効に機能しません。
旧ソ連がアフガニスタンに侵攻し,アメリカの武器支援で戦闘した勢力の前に撤退せざるを得なかったという事がありましたが,同じような戦い方をウクライナができるとは思えず,またウクライナ国民もアフガニスタン化を望んでいないでしょう。
ウクライナはおそらく,ロシア寄りの政権ができて,ベラルーシのようなロシアの属国的な国になるのでしょう。NATOはウクライナ情勢に鑑み,バルト三国に軍隊を増派しようとしていますが,西側諸国は,旧ソ連邦に属していた国で現在はNATO加盟国であるバルト三国を軍事的に守るのが精一杯です。
そもそも今のウクライナ親西欧米政権は,2014年2月にウクライナで起こったユーロマイダン革命によって誕生しました。首都キエフで勃発した当時の親露的なウクライナ政府側とユーロマイダンデモ参加者の暴力的衝突の結果,当時のヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領が失脚してロシアへ亡命しました。 当時ロシアはこの革命勃発を激怒し,ウクライナ領クリミア半島のロシア併合,親露派武装勢力によるドンバス地方に於ける戦争の勃発,そして最近のウクライナ東部親露派支配地域のロシアによる一方的国家承認,首都キエフにせまるロシアのウクライナ侵攻につながっていくわけです。
したがって,このまま行くと,2014年以前の親露派政権によるウクライナに戻るということになるでしょう。プーチン氏の狙いは,そこにあるのでしょう。
中国は今回のウクライナ情勢を冷静に観察していると思われます。結局,NATO加盟国または日本のようなアメリカの同盟国でなくては,侵略されても,西側諸国は軍事的には何ら有効な手立てを打つことはできないのです。台湾もまたNATO加盟国ではないし,アメリカの同盟国ではありません。今回のウクライナの情勢を見ると,台湾有事の際に西側諸国が何か有効な手立てを打てるのかどうか,はなはだ心もとないと思います。
| 固定リンク
コメント