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2022/05/30

アメリカの法律では中長期的視野からの経営ができる様になっている?

Stockholder 最近イーロン・マスク氏が買収するとかしないとかで何かと話題になっているTwitter社で,株主総会で再任が否決された取締役が役員会の決定により再任されることになったという報道がありました。この取締役はイーロン・マスク氏の支持者です。一方株主はマスク氏に対して「株価操作している」と最近訴訟を起こしました。つまり反マスク勢力(株主)が強い株主総会ではこの役員の再任が否決され,それを役員会が覆したという事です。マスク氏がTwitter社を買収する事は,既に取締役会で承認されています。つまり取締役会はマスク氏支持,株主は反マスク氏という事です。
 マスク氏をめぐる役員と株主の攻防はさておき,注目すべきなのは「株主による取締役の選任決定を取締役会が覆す事ができる」という事です。日本では,株主総会で決定されたら,それにより絶対的な拘束力が生じます。米国は株主の力が強いと思われがちですが,なんとそうでもないようなのです。
 株主総会と取締役会の力関係が,アメリカは日本と違うのですね。アメリカはそれで,短期的利益を追求しがちな株主に対して,ある程度中長期的な見通しに基づく経営を取締役会ができるようになっているわけです。一般的に全ての企業がそういう方針だとは限りませんが,やろうと思えば株主総会の決議事項を取締役会が覆す事ができる。
 かつて日本でもグループでの株の持ち合いなどの仕組みで取締役会が強く,中長期的な経営がやりやすかったのですが,今はそれが崩れてきています。
 アメリカ型の仕組みも研究すべきでしょう。

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