新川帆立「剣持麗子のワンナイト推理」を読みました
最近本屋さんで平積みされている新川帆立氏の作品の中で,初めての作家さんだからという事で「剣持麗子のワンナイト推理」を読みました。本来は法人弁護士である剣持麗子が,亡くなった同僚弁護士のクライアントを引き継ぐ形で刑事事件に関わっていく。
5話の短編が収録されていて,各編は独立した話ですが,4話目くらいからひょっとして完全に独立はしていないかもと思えてきて,最終編である第5話目にして,独立していなかったんだという事になる連作短編集です。
この作者の長編「元彼の遺言状」は,フジテレビでドラマ化され,その関係でこの作者の本が本屋に平積みされていたわけですね。テレビドラマは,1話目と2話目が長編「元彼の遺言状」の話で,3話目以降は私が今回読んだ「剣持麗子のワンナイト推理」の各編を元にしています。ドラマの登場人物,大泉洋が演じている篠田啓太郎は,原作の「元彼の遺言状」の登場人物ですが,「剣持麗子のワンナイト推理」には登場していません。ドラマの3話目以降の篠田の位置は,ドラマでも登場しているホストの黒丑益也(源氏名は武田信玄)が原作では勤めています。
私はこの短編集しか読んでいませんが,殺人事件を扱っている割にはあまり深刻にはならず,ミステリとしてはカラッとしていて好ましいと思います。ただ,お話は各編ともミステリーとしてあっさりしていて,最終話,短編集としての全体構成がわかって印象に残るという連作集でしょう。
(本の表紙は,アマゾン書店より。)
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