7年目の秋葉原殺傷事件死刑執行
秋葉原殺傷事件は,2008年6月に東京秋葉原で起きた7人が死亡,10人が重軽傷を負った無差別殺傷事件です。犯人の加藤智大は,2トントラックで赤信号を無視して交差点に突入して,通行人5人を次々とはねた上,降車して通行人や警察官ら17人を次々とダガーナイフで刺しました。犯人の犯行動機は,自身の生きがいであった掲示板を荒らされ,それに抗議するために実行したというもので,たぶん一般的には「その動機でこの犯行とどう結びつくの?」という感じだと思います。当然「死刑になってもいい」という意識の下で行った犯罪だと思われます。
さてその死刑執行ですが,「発生から14年」という言い方がなされます。新聞の見出しなどではそうなっています。しかしむしろ「死刑が確定してから7年後」というの事が腑に落ちません。
日本では,死刑確定から死刑執行までの期間が長いのが普通ですが,それは無実の人を誤って死刑にするのを防ぐための時間をとるというのがそれなりに合理的な理由だと思います。しかし本件は「現行犯」であり,無実の人を死刑にするおそれがあるとは思えません。犯人本人としても,死刑覚悟の犯行だったわけです。それなのに7年の長きにわたって死刑が執行されなかったというのは,なかなかに解せないことです。
私は,日本の罰則のうちで,死刑が唯一の体罰であることから,「それならば死刑ではなく終身刑の採用を」と考えていますが,現行法で死刑が確定し,その執行を中止することがあり得ないのならば,7年も "寝かせておく" 必要がどこにあるのか疑問に思います。
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