« Gシリーズ2作目は「θは遊んでくれたよ」 | トップページ | 流行はインフルエンザへ・・・? »

2023/01/06

蛇場美遺跡の界隈

Suidouroad2Jababi1Jababi2Old-kandagawa 蛇場美遺跡は,杉並区下高井戸三丁目の当たり,向陽中学校や区立下高井戸運動場にあった遺跡です。石器時代から縄文時代,中世,近世に渡る複合遺跡だという事です。何しろ現在運動場などになっているので,遺跡らしい跡は何もありません。それでも平成2年に行われた発掘調査では,爪形文系土器や中世の館跡の示す堀跡等が見つかっているそうです。
 そこら辺を通っているのが,水道道路です。水道道路については,その昔このブログに書いたことがあります。京王線桜上水駅で降りて,駅脇の水道道路に入り,それをまっすぐ進むと神田川に行き当たります。そのあたりに区立運動場があり,向陽中学校があります。前述のように,現地で遺跡として見るものは何もありません。遺跡を解説する立札さえありませんでした(Net情報によると,以前あったようなのですが,現在運動場の更新工事中なのでなくなっているのかもしれません)。この中学校や運動場には,その昔お屋敷山古墳という前方後円墳もあったといわれています。
 さて,桜上水駅から水道道路をたどると,まず突き当たるのが玉川上水跡です。ここら辺の玉川上水は今では遊歩道になっています。そこから水道道路はかなり急な坂を下っていくことになります。その下った先がが今も流れている神田川です。
 玉川上水は,羽村で多摩川の水を取水し,江戸の街,四谷まで引かれていた上水ですが,終点と起点の高低差は100m程度で,しかも上水から分岐した枝のような支川も下り勾配で作らなくてはなりません。だから玉川上水は羽村から尾根づたいに常に周辺より高い位置で下り坂となるように水路を開削しています。上水であるがゆえに,流れている水タンクという役割をするもので,排水用の自然河川である神田川とは目的が異なり,だから上方(坂の上)を流れていたわけですね。GoogleMapを眺めていても,玉川上水と神田川の目的の違いによる高低差は分かりません。現地を探索して初めて認識しました。
 ところで,「蛇場美」という名前はちょっと奇異に感じますが,日本全国あちこちにある様です。一説によると,「蛇喰(じゃはみ)」が転化したもので,巨大な蛇が齧り取ったような地形の土地という意味があるとの事です。

(一番上の写真は玉川上水跡から坂を下っていく水道道路。次の写真は区立下高井戸運動場。改修工事中で,工事関係の看板が立っています。次の写真は坂を下ったところにある神田川。川の左側が区立運動場です。最後の写真は水道道路をさらに先に行ったところにある神田川の旧流路跡です。このあたりの道としては珍しい屈曲した道になっています。川の跡だと言われると「ああ,確かにそんな形の道路だ」と思います。各写真をクリックすると拡大します。)

|

« Gシリーズ2作目は「θは遊んでくれたよ」 | トップページ | 流行はインフルエンザへ・・・? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« Gシリーズ2作目は「θは遊んでくれたよ」 | トップページ | 流行はインフルエンザへ・・・? »