京都旅行で乗った鉄道
昨日書いたように,京都旅行に行ってきました。今日は,その旅行で乗った鉄道を紹介しましょう。
かつて京都市街には,日本最初の一般営業用電気鉄道路面電車である京都市電が縦横に張り巡らされていました。しかし,1978年9月30日をもって市電は全て廃止されています。だから今の市街の交通は,市電の代わりにバスが担っているわけです。2年前に京都を訪れた時には,もっぱらバスで移動したのですが,今回はなるべく電車に乗ろうという事になりました。京都市街・近郊の交通を担う鉄道としては,JRの他に,京都市営地下鉄が烏丸線と東西線の2路線,大阪から京都市内に乗り入れてくる阪急京都線(京都河原町まで),京阪電鉄本線・鴨東線(三条・出町柳まで),奈良方面からやってくる近鉄京都線(京都駅まで)があります。京都市東部の鉄道路線としては,JRの他に,地下鉄東西線に乗り入れている京阪電鉄大津線(京津線と石山坂本線から成る)があります。
(写真は,往路の新幹線グリーン車内。JR東海ツアーズのこのツアーでは,なんと新横浜-京都間のグリーン車料金が1300円ぽっきり。)
①JR湖西線
新幹線で京都駅に着いたその足で(荷物は京都駅のロッカーに預けて),比叡山延暦寺に向かいました。JR湖西線に乗って,京都駅から比叡山坂本駅まで17分しかかかりません。そんなに近いとは思いませんでした。コロナ禍前,知人が京都へ行くとき,ホテルが取れなくて京都駅を中心にしてだんだん遠くへ遠くへと探していったら,どのホテルも満員で,結局滋賀県のホテルに泊まることになってしまったといっていました。京都駅から17分なら,「滋賀県宿泊もありでしょ」と思います。
旅行前の計画時点では,京都駅から比叡山延暦寺へは,叡山電鉄で八瀬比叡山口駅まで行って,そこからケーブルカーとロープウェイを乗り継いでいくものだとばかり思っていました。ところが,冬の間(12月~3月)はケーブルカーもロープウェイも休業になってしまい,その間に比叡山延暦寺にアクセスできるのは,滋賀県側のケーブルカー(比叡山鉄道)のみとなることが分かったのです。だから,まず湖西線で比叡山坂本駅まで行って,そこで江若バスに乗り換えてケーブルの山麓駅(ケーブル坂本駅)へ行く事になります。
ところが,JR駅からのバスが京阪電鉄坂本比叡山口駅前に着いたとたん,私が声をかける前にカミさんがバスを降りてしまったのですね。坂本比叡山口駅をケーブルの駅と勘違いしてしまったのです。仕方ないので,そこからケーブル坂本駅までは徒歩で行きました。全行程上り坂でしたが,時間は10分強でケーブル駅に到達しました。坂本の街は,古い民家や古く大きな寺院,神社があって,とても風情のある街で,そこを徒歩しながらケーブル駅まで行って,かえって良かったと思います。
ところで,江若バス(江若交通)は湖西線の素となった鉄道,江若鉄道のバス部門です。かつて,琵琶湖西岸の浜大津と近江今津を結んでいた江若鉄道は,JR湖西線建設のために,日本鉄道建設公団に売却され湖西線の路盤に利用されました(1969年に廃止)。近江と若狭(日本海)を結ぶ目的でできた鉄道でしたが,結局日本海側には顔を出せませんでした。湖西線になって,やっと京都と日本海側を結ぶ鉄道になりました。湖西線は,琵琶湖の東岸を走る東海道本線,北陸本線よりも距離が短く,関西と北陸を結ぶ特急「サンダーバーなどもこちらを走っています。
②比叡山鉄道
坂本側のケーブルカーです。途中駅が二つありますが,乗客の申し出がなければ通過し,11分ほどで山上のケーブル延暦寺駅に着きます。前にも紹介しましたが,駅から延暦寺の総本堂である根本中堂までは徒歩10分程度です。この坂本ケーブル,日本で一番長距離を走るケーブルカーとの事です。
(写真は,上りのケーブルカーから見た下りのケーブルカー。)
③京阪電鉄石山坂本線
カミさんがケーブル駅と間違えてバスを降りたのが,この鉄道の坂本比叡山口駅です。ケーブル坂本駅にはJR比叡山坂本駅より近く(JR駅からケーブル駅まで歩くと25分くらいかかる),下山後もバスに乗らず,ケーブル駅から徒歩で坂本比叡山口駅に戻りました。ここから電車で琵琶湖浜大津駅へ。小型の2両編成の電車です。
(写真は,坂本比叡山口駅にて撮影。駅に侵入する石山坂本線の電車です。)
④京阪電鉄京津線
琵琶湖浜大津駅で石山坂本線から京津線に乗り換えました。同じ京阪電鉄の路線ですが,電車は4両編成。浜大津駅の近傍は,京津線も石山坂本線も路面電車になっています。自動車と一緒に路上信号に従って運行しています。やがて専用軌道に変わりましたが,急カーブが多くみられました。最高速度は75km/hのはずですが,とてもそんな速度では運行できません。やがて御陵駅から京都市営地下鉄東西線に乗り入れ,地下区間で本領を発揮します。4両編成の電車は,前後の2両がクロスシート,中の2両がロングシートになっていました。
この路線,京津線は,路面電車→カーブがきつい専用軌道→地下鉄と変化し,バラエティーに富んでいて面白い路線です。
(写真は,京津線車内。京都側の先頭車両車内です。)
⑤京都市営地下鉄東西線
琵琶湖浜大津から京阪電車京津線に乗っていれば,そのまま御料駅から地下鉄東西線に入ることになります。京都市街を横断して,太秦天神川駅までが東西線です。上述のように,京津線の電車は4両編成で,そのなかの2両はクロスシートとなっていますから,地下鉄東西線はクロスシート車が走る地下鉄です。なお,地下鉄東西線自身の車両は6両編成で,太秦天神川駅からの電車は京津線には入らず,御陵駅から六地蔵駅へと向かいます。
東西線は,南禅寺や水路閣など,南禅寺付近を訪れた時にも利用しました。蹴上駅は南禅寺の最寄り駅です。
⑥京都市営地下鉄烏丸線
烏丸通りの地下を走って,京都市街を南北に縦断している地下鉄です。烏丸御池駅で東西線とクロスしています。私たちのホテルが,烏丸線の四条駅の近くにあったので,烏丸御池駅から四条駅まで何回かこの線に乗りました。2年前には,京都駅近くのホテルからこの烏丸線に乗って,北の終点,国際会議場へ行って,そこからバスで貴船神社へ向かいました。烏丸線の南方の終点,竹田駅から近鉄京都線が乗り入れてきます。私たちが乗った数回のうち,2回は近鉄の車両でした。
⑦阪急京都線
京都市街では四条通りの地下を東西に走る阪急京都線は,地下鉄烏丸線四条駅とつながっています。南北方向の地下鉄烏丸線が,東西方向の阪急京都線とクロスするのが,地下鉄四条駅,阪急烏丸駅です。同じ地点にあるのに,駅名が2線で違っています。ホテルから河原町付近に買い物に出るのにこの線を使いました。京都河原町駅に停車していた大阪梅田行きの特急電車を見た時,大阪まで乗っていきたくなりました。
⑧近鉄京都線
京都駅から一駅だけ往復しました。東寺駅で降りて,東寺へ行ったのです。東寺は真言宗の寺院です。京都駅から五重の塔が見える大きな寺です。京都駅に停まっている奈良行きの特急電車を見て,奈良へまた行きたくなりました。
京都市街には,上述の鉄道の他に,京阪電鉄本線,叡山電鉄,京福電鉄嵐山線があります。2年前には,貴船からの帰途,叡山電鉄を出町柳駅まで,出町柳から京阪電鉄本線の北の端の部分,鴨東線を三条まで利用しました。2年前は嵐山へ行ったのですが,JRを使ったので,京福電鉄だけには乗ったことがありません。もううん十年前,この電車に乗って太秦映画村に行ったことはありました。
今回の旅行の計画時,京都市内はバスで回らざるを得ないと思っていました。しかし調べてみると,上のような鉄道を利用すれば,バスに乗らずとも市内観光ができる事がわかり,今回便利に利用できました。
やはり,2本の地下鉄の力が大きいですね。地下鉄の完成で,京阪,阪急など在来の鉄道と合わせて,京都市街のたいていの行きたい所には鉄道で行けるようになった感じです。
ところで,私は地図などからの漢字の知識しかなかったので,京津線(けいしんせん)を「きょうつせん」,御料駅(みささぎ駅)を「ごりょうえき」,湖西線(こせいせん)を「こさいせん」と読んでいました。今回現地へ行って,初めて正しい読み方を知りました。今回の旅行の時に分かったわけではありませんが,以前江若鉄道(こうじゃくてつどう)を「えわかてつどう」と読んでいたこともあります。
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