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2023/06/26

生成AI

Ai-brain 米国際政治学者のイアン・ブレマー氏が,生成AIについて次のような見解を示しました。↓↓

>生成AIについて「偽情報や雇用の破壊といったリスクはかつてないスピードで拡大しており、政策的な対策が必要だ」との認識を示し、「偽情報対策とAIの影響から子どもを保護することを最優先で考える必要がある」と強調した。

 これはある面では正しいですね。
 しかし,偽情報の拡散リスクは,偽情報好きの人間がいる限りこれまでもあったわけだし,雇用の破壊は,機械,ロボット,コンピューターといった装置が発明されて以来ずっと以前から起こってきたことです。
 AIの出現によって,そんなこれまでの装置の出現でも侵されていなかった,あるいはそれら装置の出現で新たに雇用が生み出されてきたホワイトカラーやその管理職の雇用をも脅かすというのは本当ですが,それがこれまでの雇用の破壊を超える脅威だとは思えません。
 雇用の必要性は,時々刻々と時代と共に変化していかないでどうするというのでしょう。
 考えてみてください。産業革命以来生み出されてきた「機械,ロボット,コンピューター」が脅威だからって,その時「国家レベルで機械,ロボット,コンピューターの規制を」などと唱えるのは,ばかばかしく,愚かだとはおもいませんか?
 生成AIが偽情報を拡散して脅威だというのなら,「生成AIは偽情報を生み出すもので,そのアウトプットを簡単に信じてはいけない」という啓蒙を行う事で十分だと私は思います。その一環として,生成AIがインプットに対してアウトプットを生み出す仕組みを一般大衆に対してやさしく説明する事,AIの仕組みを示す事も,必要なことだと思います。

 生成AIは,一般的な(天才ではないという意味ですが・・・)人間がインプットに対して何らかのアウトプットを行うのと同じような思考法方でアウトプットを行っています(思考に対する参考とするデータ量と思考速度は人と違うかもしれませんけどね)。生成AIが脅威だというのなら,人間が存在する事も脅威であり,人間の存在も国家レベルの規制が必要だという事になります。
 全く馬鹿げた議論ですね。
 生成AIが脅威なのではなく,生成AIのアウトプットを「正しいものだ」と無条件に信じてしまう人の存在が脅威なのです。そんな人の存在は,例えばカルト宗教の信者など,AI以前の世の中でもたくさんいますね。
 ブレマー氏以外にも,同様の「AIに対する国家レベルでの規制」を唱える人はたくさんいますが,規制すべきは「正しいものだと無批判に信じてしまう人」と,「そんな人の発言の発信,拡散」なのです。

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