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2023/10/29

芦辺拓の「怪人対名探偵」を読了

Kaijintaimeitantei 芦辺拓の「怪人対名探偵」を読了しました。
 はじめ,小学6年生の三谷駿という少年が一つ目の怪人に誘拐されます。さらにその従姉である村下玲美という高1の少女が,同様の異形の怪人に頬を切られる事件が起こります。村下玲美は,友人の勧めに従って,弁護士名探偵 森江春策に解決を依頼します。そこで,怪人対名探偵の枠組みができました。
 犯行は次第にエスカレートし,連続殺人事件,それもかなり凄惨な殺人事件が起こります。アドバルーンでの絞殺,時計塔の短針,長針を利用した磔刑,廃業した遊園地のパノラマ館での監禁など,往年の少年探偵団に出てくるような方法で,往年よりはるかに残虐な殺人事件が展開していきます。
 本作は,「~した。」調で,普通の現代小説のような語りの部分と,「~しました。」調で,往年の少年もの探偵小説のような部分が交互に展開します。前者の名探偵は森江春策,助手は新島ともか,警察は滝儀一警部というおなじみのトリオに対して,後者の名探偵は花筐(はながたみ)城太郎,助手は有明雅彦少年,警察は滝大之進警部。この二様並列がどのように展開するのかと思ったら,最後には見事にどちらも現実の世界に合体しました。さすが,「探偵小説」でした。
 本作に触発されて,Kindleで,江戸川乱歩の少年探偵団シリーズ34冊合本版を買ってしまいました(unlimitedで0円でしたが)。

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