宿泊費用は,高騰しているか?
「円安信仰がもたらす3損失」という記事があって,「ホテルの宿泊費用が、一泊あたり5万円以上する時代になったら、もう多くの日本人は泊まれなくなるわけです。」とか書いてあります。
この度,知り合いの葬儀に出席するために,静岡県のホテルを予約しました。ホテル代の高騰はこの記事ならずとも,テレビニュースなどで宣伝されており,覚悟していたら,ビジネスホテルのシングルが8000円程度で,さほどではありませんでした。都心や一部観光地では高騰しているのでしょうが,日本の普通の地方では,それほどの高騰は起こっていないようです。
<以下,以前このブログに書いた記事の採録になりますが・・・>
この記事では,「日本の円安というのは、モノやサービスの物価を加味した、実質レートでみると1960年代のレベルにまで下がっています。日本円は、とんでもない安さになっている。」などと言っているのですが,何を言っているのかわかりません。
実際のところ,昨年9月,イギリスへ行ってロンドンパディントン駅構内のバーガーキングで食べたワッパーが5.99ポンド。日本のバーガーキングでワッパーを食べれば590円。つまり,イギリスで1ポンドで買えるものは,日本では100円で買える(もちろん,後でクレジットカード会社から請求されたロンドンのワッパー1個の値段は1331円でしたが)。
一方,アメリカマクドナルドのビッグマックは5.19ドル。日本のマクドナルドではビッグマックは480円。つまり,アメリカで1ドルで買えるものは,日本では92.5円で買える。
この,1ポンド=100円,1ドル=92.5円(面倒くさいので1ドル=100円と考えてもいいだろう)という物価で比べた欧米通貨と日本円のレートは,物価的には実に真っ当なレートで,市井の様々な価格がこのようなレートである限りは,日本人が日本で生きていく限り,特に物価高で苦しむことはなく,欧米に住んでいる人と同じ暮らしができるという事です。
日本の物価がこのレートに抑えられている限り,日本人が日本で暮らす上では,特に困ることはありません(まあ,欧米人がインフレで困る程度には,日本人もこまるわけですが)。"超円安ショック" というのを感じずに日本人は日本で生きていくことができるのです www。
もちろん,日本人が海外で買い物をすれば,ワッパー1個が1331円という "超円安ショック" を味わう事になります。また記事にあるように,日本国内でも外国人の領域に足を踏み入れると(例えば一部地方のホテルのような), "超円安ショック" を味わう事になります。しかしそれは,外国人の領域に足を踏み入れたから味わうもので,日常的な事ではないと考えられます。日常生活は,ワッパーやビッグマックの世界ですよ www。
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