テスラがスーパーチャージャー部門の人員を大規模削減
テスラが,これまで力を入れていたスーパーチャージャー部門の人員を大規模削減するという報道がありました。大規模といえば,「テスラは自社の急速充電器スーパーチャージャーチームのほぼ全員を削減した。」という話で,かなりの規模の人員削減になるようです。米国では,ほぼ全ての主要自動車メーカーがテスラの充電器企画を採用しており,スーパーチャージャー・ネットワークの拡大ペースは減速することになるとして,関係各社に衝撃が走っているそうです。
充電インフラは,ある程度普及すれば人はあまり必要ないという事でしょうか? アメリカの充電器はほぼテスラ方式で決まりという事で,他のメーカー対策に人を割く必要もなくなるのは確かでしょう。
アメリカの充電器普及具合はどうなんでしょうか? かなり普及して,今までと同じペースで充電器設置を急ぐ必要が最早ないのならば,そちらに割く人員もいらない。
ただ,「テスラは自社の急速充電器スーパーチャージャーチームのほぼ全員を削減した。」という規模の解雇は,今後の設置拡充にどのくらい効いてくるんでしょうね?
全固体電池など,次世代の電池で航続距離が伸びて,自宅で深夜に充電し,それで往って帰ってくる距離が格段に伸びるのならば,街中の充電ステーションもそれほど必要なくなると思います。今後はそんな世界になるのは確かでしょう。
マスク氏は,充電器事業に見切りをつけたという事かもしれない。チャージャー部門をメンテ要因を除いて閉鎖するのは,それなりの見識だと思いますよ。
ところで,SNSなどでは,「充電器の設置をテスラが自ら拡大していくフェーズは終わった」という意味のコメントが見受けられますが,充電器というのは,EVそのものと共に,今の物が最終形ではありません。全固体電池ができたとして,それを使ってトヨタが言うようにワン充電で航続距離1200kmが達成できたとして,その電池に充電するための充電器が必要です。つまり,現在テスラの充電器でも250kW程度ですが,トヨタは電池性能的には10分でフル充電できると言っており,それならば充電器もそれなりのkWの物でなければなりません。今とはけた違いの高出力な充電器が必要なのです。
あと数年で全固体電池の量産はできるらしいですが,果たしてそれに対応した充電器はあと数年でできるのでしょうか? これまでテスラがいっしょ懸命設置してきた250kWの充電器は,全固体電池の急速充電機能を満たすには全然容量が足りません。
その意味から言っても,現状タイプのチャージャー部門をここへ来て解散するというのは,正しい方策だと思います。
実際のところ,全固体電池ができたとしても,フル充電するのは "深夜自宅にて" という事にならざるを得ないと思われ,外出先では補助的に5分程度充電という使い方になるものと思います。まあ,一晩かかって自宅でフル充電できれば,1200km走れるわけですから,たいていの場合,往って戻ってくるには十分でしょう。市中の充電ステーションは,ますます不要になるような気がします。
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