千葉県の高宕渓谷にあった牧場の痕跡
どこか我が家からあまり遠くにところで,山歩きを楽しむ手ごろなところはないかなと思って,いろいろ探していました。まあ,場所的には千葉県あたりなら,横浜の我が家からアクアラインを通って日帰りできます。そんな気持ちでYouTubeなどを見ていたら,富津市に高宕渓谷という渓谷があるのを知りました。この渓谷とその近くの高宕山ハイキングの模様は,YouTubeにたくさん投稿されていて,なかなか人気のある場所であることが分かります。
この場所について色々調べていたら,高宕川の川筋に急駟滝(きゅうしたき)という滝があり,そのすぐ上流がトンネルになっていて,そのトンネルを(上流方向に)出た付近に明治時代に牧場があった事が分かりました。この牧場,高宕山牧舎は既になく,跡地は現在では森に返ってしまっている様ですが,念のためグーグルマップの航空写真を見てみました。
そうしたら,上の写真のように,見事に牧場跡が浮き出てきました。周囲とは色彩が違うのです。上の写真はグーグルマップの3D機能を使って,少し斜めに傾けてみています。航空写真のこの色の違いは何でしょうね。
この牧場をつくるにあたって,川廻しという事をやっています。川にトンネルを掘り,河道を変えてその旧河道の部分を牧草地にするという事をやっているそうです。ここの川廻しはかなり大掛かりで,川筋まで変更してしまったようですね。牧場の手前,トンネルの下流で二股に分かれていた川のAからBへ,このトンネルで水の流れを変えてしまったのです。ここら辺の詳しい話は,「スゴログ」というブログがネット上にあり,その中の「#007 高宕渓谷」という記事に詳しく書いてありました。
上述のスゴログには,牧場だった部分について「何本かは太い樹木が育っている。周囲は行政の計画植林で杉だらけだがこの場所は異なる複数の樹木がお互いを牽制する様に植えられている。」という記述があり,牧場だった部分に周りの杉林とは違う植生が広がって,だからグーグルマップの航空写真では周りとは違う色彩で写っているのだろうと思います。空から見た時のこの色の違いが,高宕山牧舎がかつてここに存在した現在に残る唯一の痕跡といっていいと思います。
(写真をクリックすると,拡大します。)
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